【サイバー攻撃に備える!】セキュリティスイッチとは? 基本機能やUTMとの違いを解説!

【サイバー攻撃に備える!】セキュリティスイッチとは?〜基本機能やUTMとの違いを解説!

2025年10月20日

昨今、社内ネットワークのセキュリティ対策では、ファイアウォールやアンチウイルスソフトの導入が基本的な対策として広く認識されています。

しかし、近年のサイバー攻撃は非常に巧妙化しているため、外部から侵入してくる脅威にファイアウォールやアンチウイルスソフトだけでは、侵入を完全に阻止することはできません。

特に、一度ネットワークへの侵入を許してしまうと、ファイアウォールやアンチウイルスといった従来の対策だけでは、内部での感染拡大や情報漏洩を防ぐことは困難です。

そのため、社内ネットワーク内部における不正な挙動の監視や不正アクセス防御の強化は、企業にとって大きな課題となってきております。

この課題に対応するための有効なソリューションとして、近年「セキュリティスイッチ」が注目されています。

 

セキュリティスイッチとは?

セキュリティスイッチは、一般的なネットワークスイッチの機能(パソコンやサーバーなどの機器をネットワークに接続し、データの中継を行う)に加え、セキュリティ機能を強化した特殊なスイッチです。

ただの「通信の分岐点」だったスイッチが、「不審な通信を通さないセキュリティ付きの分岐点」に強化されたようなイメージです。従来のスイッチは、接続されたデバイス間でデータを効率的に転送することに特化していました。

しかし、セキュリティスイッチは、単なるデータ転送だけではなく社内ネットワーク上のあらゆるトラフィックを監視し、異常な挙動や不正なアクセスをリアルタイムで検知・遮断する機能を持っています。そのため、社内ネットワークの内部から発生する脅威にも対応できるよう設計されています。

 

セキュリティスイッチの重要性と導入のメリット

サイバー攻撃の手口は急速に巧妙化しており、ファイアウォールで外部からの攻撃を防ぐ「境界防御」だけでは不十分になってきています。

また、一度社内ネットワークに侵入を許してしまうと、内部から情報が盗まれたり、システムが破壊されたりするリスクが格段に高まります。

そのため、セキュリティスイッチは社内ネットワークの「内部」からの脅威に対処するために非常に有効な役割を果たします。

導入には以下のようなメリットがあります。

 

1.内部脅威への対処能力向上

ウイルスに感染したPCの早期発見と隔離、内部不正による情報漏洩の防止など、社内からの脅威に対する防御力を飛躍的に高めます。

2.影響範囲の最小化

未知のウイルスにPCが感染した場合でも、ファイルサーバーなどの基幹システムへの影響範囲を最小限に抑えます。

3.ネットワークの安定性向上

標的のPCやサーバーに大量の通信を送りつけ、サービスを利用不能にするDDoS攻撃などのサイバー攻撃から通信障害を防ぎ、通信の安定性を確保します。

4.運用負荷の軽減

不審な通信を自動で検知・遮断することで、セキュリティ管理者の運用負荷を軽減し、より重要な業務に集中できるようになります。

5.コンプライアンス遵守の支援

アクセスログの取得や不正通信の遮断により、企業のセキュリティポリシー遵守対応をサポートします。

 

セキュリティスイッチの導入は、従来の外部防御だけでは対応できない、巧妙なサイバー攻撃やネットワーク内部の脅威に対処するために不可欠です。

これにより、ウイルス感染防止、情報漏洩対策、ネットワークの安定性確保、運用負荷の軽減といった多岐にわたるメリットをもたらします。

 

セキュリティスイッチの基本機能と役割

不正なデバイスの接続防止や通信の監視・遮断、各種サイバー攻撃への対策に特化した機能

近年の巧妙化するサイバー攻撃は、ネットワーク内部にも脅威をもたらしています。
ここでは、社内ネットワークの安全性を高めるためにセキュリティスイッチが持つ、具体的な機能と役割をご紹介します。

 

1. ポートセキュリティの強化

スイッチのポートごとに接続できる機器やMACアドレスを管理し、「なりすまし」による不正な接続やポートスキャン攻撃を防止します。

2. DoS/DDoS攻撃対策

大量のパケットを送りつけてネットワーク機能を一時的に停止させるDoS(Denial of Service)攻撃やDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃などを検知し、不審な通信を遮断することで、ネットワークの安定稼働とサービスの安定性を守ります。

3. 不正デバイスの接続防止(ポート認証)

許可されていないパソコンやスマートフォン、サーバーなどの機器がネットワークに接続されるのを検知し、通信を遮断します。
例として、社員が私物の未登録デバイスを勝手に繋いだり、外部の人間がこっそり不正な機器を接続しようとしたりするのを防ぎます。これは、ネットワークへの「入口」を厳しく管理することで、未知の脅威が侵入するリスクを大幅に低減します。

4. ARPスプーフィング対策

ARP(Address Resolution Protocol)の脆弱性を悪用した「ARPスプーフィング」による通信傍受や、特定のサーバーへのアクセス妨害を防ぎます。セキュリティスイッチは、ARPテーブルの偽装を検知し、不正な通信を遮断することで、ネットワークの信頼性を保ちます。

5. VLAN機能と連携したセグメンテーション

仮想的にネットワークを分割するVLAN(Virtual LAN)機能と密接に連携し、部門ごとにネットワークを論理的に分離したり、特定のサーバーへのアクセスを制限したりすることにより、セキュリティレベルを高めます。

 

セキュリティスイッチは、通常のネットワークスイッチのデータ中継機能に加えて、不正なデバイスの接続防止や通信の監視・遮断、各種サイバー攻撃への対策など、社内ネットワーク内部からの脅威にも対応できる特殊なスイッチです。

 

セキュリティスイッチとUTMの違い、それぞれの利点

セキュリティ対策を検討する際、「UTM(Unified Threat Management)」という言葉を耳にすることも多いでしょう。セキュリティスイッチとUTMは、どちらもセキュリティ対策機器ですが、役割と得意分野が異なります。

 

セキュリティスイッチ UTM (統合脅威管理)
主な役割 ネットワーク内部のトラフィック監視とアクセス制御 ネットワーク外部からの脅威に対する統合的な防御
設置箇所 ネットワーク内部
(各部署やサーバーの手前など)
ネットワークの境界
(インターネット接続口など)
得意分野 ・内部の不正通信
・マルウェア拡散防止
・不正デバイス接続防止
・IoTセキュリティ
・ウイルス対策
・迷惑メール対策
・不正侵入防御(IPS/IDS)
・Webフィルタリング
防御範囲 内部ネットワークの各セグメント 企業ネットワーク全体への外部からの脅威

 

セキュリティスイッチの利点

内部からの脅威に対して非常に強力です。既にファイアウォールやUTMが導入されている環境でも、多層防御の最後の壁として機能し、内部で発生した問題が外部に波及するのを防ぎます。

UTMの利点

複数のセキュリティ機能を一台に集約しており、主に外部からのサイバー攻撃に対する包括的な防御を行います。

 

理想的なのは、UTMで外部からの脅威を防ぎ、セキュリティスイッチで内部の脅威に対処するという多層防御の組み合わせです。これにより、より堅牢なセキュリティ体制を構築できます。

 

セキュリティスイッチの選び方

セキュリティスイッチの選定は、企業の規模や既存のネットワーク構成、予算によって大きく異なります。

1. 企業規模とネットワーク規模

中小企業:必要ポート数が少なく、初期費用を抑えたい場合は、機能がシンプルで管理が容易なモデルが適しています。クラウド管理型なども選択肢に入ります。

大企業・多拠点企業:高い処理性能、豊富なポート数、集中管理機能、他システムとの連携性などが求められます。拡張性や冗長性も重要な要素です。

2. 既存ネットワーク機器との互換性

機器とベンダーを統一することで、管理の一元化や連携がスムーズになる場合があります。

3. セキュリティポリシーと必要な機能:

自社のセキュリティポリシーを明確にし、それに従って必要なセキュリティ機能(例:ポート認証、VLAN、DoS攻撃対策など)を洗い出すことが重要です。将来的な拡張性も考慮に入れましょう。

4. 予算と運用リソース

初期導入費用だけでなく、保守費用や運用にかかる人員コストも考慮に入れる必要があります。自社での運用が難しい場合は、マネージドサービスを提供するベンダーの検討も有効です。

セキュリティスイッチの選定は、企業の規模やネットワーク構成、予算に応じて異なり、既存機器との互換性や必要なセキュリティ機能、将来的な拡張性、そして運用リソースを含めた総コストを総合的に考慮して行う必要があります。

 

セキュリティスイッチに関するよくある質問

Q1: セキュリティスイッチは本当に必要ですか?小規模な会社でも導入すべき?

A1: 近年、必要性が高まっています。サイバー攻撃は企業規模を問わず標的となり、特に内部からの脅威は小規模な会社でも発生する可能性があります。予算や人員が限られる場合でも、まずは必要最低限の機能を持つモデルやクラウド管理型サービスから検討することをお勧めします。

Q2: 導入にはどのくらいの費用がかかりますか?

A2: 製品の性能、ポート数、搭載機能、メーカーによって大きく異なります。数万円から数百万円と幅広いですが、まずは自社のネットワーク規模と必要なセキュリティ機能を明確にすることが最初のステップです。

Q3: 導入後の運用は難しいですか?

A3: 設定や監視にはある程度の専門知識が必要になります。導入支援や運用代行サービスを提供しているベンダーもありますので、自社のリソースに合わせて検討できます。

Q4: 既存のネットワーク機器と組み合わせて使えますか?

A4: 既存のネットワーク環境に組み込んで利用することが可能です。ただし、他の機器との互換性や設定の調整が必要になる場合がありますので、導入前にベンダーと相談することをお勧めします。

 

まとめ

セキュリティスイッチは、社内ネットワークの安全性を高めるための重要なツールです。
外部からの脅威だけでなく、内部からの脅威にも対応できるため、より強固な社内のセキュリティ環境を構築できます。

 

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